― 医療法人・MS法人設立で後悔しないために ―

「節税になるからMS法人を作りましょう」と言われていませんか?
歯科医院の院長先生から、よくこんな声を聞きます。
- 「税理士に節税になると言われてMS法人を作った」
- 「作ったけれど、正直あまり意味を感じていない」
- 「思ったより手元にお金が残らない」
実はこのようなケースは、決して珍しくありません。
その多くに共通しているのが、
MS法人を「節税のためだけ」に作ってしまった
という点です。
MS法人は、正しく設計・活用すれば非常に有効な仕組みです。
しかし、目的や設計を誤ると、
「作った意味がなかった」「かえって経営が苦しくなった」
という結果になってしまうこともあります。
そもそもMS法人とは何のための法人なのか?
MS法人(メディカル・サービス法人)は、
医療法人や個人開業の歯科医院に対して、
- 事務業務
- 人材管理
- 設備・物品管理
- 経営支援
などを提供するための法人です。
本来の役割は、
「医療と経営を分離し、医院経営を安定させること」。
つまり、
👉 節税は“結果”であって“目的”ではありません。
なぜ「節税目的だけ」のMS法人は失敗するのか?
① 設立後の使い道が決まっていない
節税ありきで作られたMS法人は、
- 何の業務を担うのか
- 医院とどう役割分担するのか
- 将来どう育てていくのか
といった設計が、ほとんどされていません。
その結果、
- 名ばかりの法人になる
- 税金は減ったが、経営は何も変わらない
という状態に陥ります。
② 「税金は減ったが、手元にお金が残らない
よくあるのがこのパターンです。
- 法人を作った
- 役員報酬や管理料を設定した
- 結果、税額は確かに下がった
しかし実際には、
- 社会保険料が増えた
- 法人維持コストが増えた
- キャッシュフローが悪化した
というケースも少なくありません。
「節税=お金が増える」ではない
という点を理解せずに進めると、後悔につながります。
③ 将来(承継・老後)を見据えていない
MS法人は、本来
- 事業承継
- 院長の老後資金対策
- 次世代への引き継ぎ
と非常に相性の良い仕組みです。
しかし、節税だけを目的に作ると、
- 10年後どうなっていたいのか
- 誰に引き継ぐのか
- どこにお金を残したいのか
といった長期視点が抜け落ちてしまいます。
結果として、
「作ったはいいけれど、どう扱えばいいのかわからない」
という状態になってしまうのです。
MS法人で“成功している医院”の共通点
一方で、MS法人をうまく活用している歯科医院には、
明確な共通点があります。
- 設立前から 10年後の姿 を描いている
- 医院とMS法人の 役割が明確
- 節税だけでなく 経営・承継・人材 まで考えている
- 数字をもとに判断している
MS法人は
「経営の仕組みづくり」 として考えたときに、
はじめて本当の価値を発揮します。
MS法人は「作ること」より「どう使うか」
MS法人は、
作った瞬間に効果が出る魔法の制度ではありません。
- 何のために作るのか
- 医院経営の中でどう位置づけるのか
- 将来、どんな医院を残したいのか
これらを整理した上で設計することで、
はじめて意味のある法人になります。
医療法人・MS法人の設立は慎重に検討を
医療法人やMS法人の設立は、
一度作ると簡単には戻れません。
だからこそ、
- 節税だけで判断しない
- 制度ありきで進めない
- 将来を見据えて設計する
ことが非常に重要です。
医療法人・MS法人の設立や考え方については、
下記ページで詳しく解説しています。
▶︎ 医療法人・MS法人設立についてはこちら
まとめ|MS法人で後悔しないために
- MS法人は節税目的だけで作ると失敗しやすい
- 大切なのは「設立後の設計」と「将来視点」
- 成功している医院は経営の仕組みとして活用している
MS法人は、
正しく使えば、歯科医院の未来を支える強力な武器になります。