お知らせ 院長ひとり経営からの卒業

「忙しいのに利益が残らない」本当の原因とは? | 院長ひとり経営からの卒業⑤

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「予約は埋まっているのに、お金が残らない」
「売上は上がっているのに、なぜか経営が楽にならない」

このような悩みを抱えている歯科医院は非常に多く存在します。

実はこの問題、単純な売上不足ではありません。

本当の原因は、
歯科医院の“利益構造”を正しく理解できていないことにあります。

なぜ歯科医院は忙しいのに利益が残らないのか?

多くの歯科医院では、

  • 患者数が増えている
  • 診療時間はフル稼働
  • スタッフも忙しく働いている

にもかかわらず、利益が思ったほど残らない
という状態になっています。

その理由は、
「売上」と「利益」を同じものとして考えているからです。

売上と利益はまったく別物

売上が増えれば経営は良くなる、と思われがちですが、
実際には
売上が増えても、利益が減ることは普通に起こります。

例えば、

  • 単価の低い診療が増える
  • 人件費が上がる
  • 材料費が増える

これらが同時に起こると、
「忙しいだけで利益が出ない医院」になります。

利益が残らない3つの本当の原因

① 利益率の低い診療に時間を使っている

歯科医院では、保険診療中心になると

  • 単価が低い
  • スタッフの稼働が増える

結果として、
時間あたりの利益が低くなる構造になります。

② 固定費が増えすぎている

売上が伸びると、

  • 人件費
  • 家賃
  • 設備費

が増えていきます。

しかし、これらはすべて
売上に関係なく発生する固定費
です。

固定費が高い医院は、
少し売上が下がるだけで利益が一気に減る
状態になります。

③ 数字と現場の行動がつながっていない

多くの歯科医院では、

  • 数字を見るのは院長だけ
  • スタッフは目の前の業務のみ

という状態です。

その結果、

  • キャンセルが増えている
  • 自費率が低い
  • メンテナンス移行が弱い

といった問題があっても、
現場で改善されないまま放置されます

利益率改善のカギは「限界利益」

ここで重要なのが、
限界利益(売上 − 変動費)という考え方です。

歯科医院でいう変動費は、

  • 材料費
  • 技工代
  • 外注費

などです。

つまり、
「その診療がどれだけ利益を生んでいるか」
を表す指標です。

「忙しい=儲かる」は間違い

多くの院長が陥る落とし穴は、
忙しい=良い経営という考え方です。

しかし実際は、
限界利益の低い仕事で忙しくなるほど、利益は残らない
のです。

必要利益売上高を知らないリスク

もう一つ重要な考え方が、
必要利益売上高です。

これは、
「この売上を下回るとお金が減り始めるライン」です。

このラインを知らないと、

  • 売上があるのに不安になる
  • 経営判断が感覚になる

という状態になります。

利益が残る歯科医院の共通点

利益率が高い歯科医院には、共通点があります。

✔ 数字を基準に経営している

どこを伸ばすべきか明確

✔ 数字を現場と共有している

スタッフの行動が変わる

✔ 改善が継続している

単発で終わらない

その中心にいるのが「右腕スタッフ」

ここで重要なのが、
数字を理解し、現場を動かせる右腕スタッフ
です。

右腕がいることで、

  • 数字を現場に落とし込める
  • 改善が継続する
  • 組織が自走する

状態になります。

利益率改善のための3ステップ

① 現状の数字を把握する

売上・限界利益・固定費を整理

② 優先順位を決める

すべてやらず、重要なものから

③ 現場で改善を回す

ここが最重要ポイント

院長ひとり経営の限界

利益改善は、院長一人では限界があります

なぜなら、

  • 分析
  • 判断
  • 実行

すべてを一人で行うことは不可能だからです。

解決策は「右腕育成」

最も重要なのは、
数字を語れる右腕を育てることです。

右腕が育つことで、

  • 利益が安定する
  • スタッフが主体的に動く
  • 医院が成長する

組織へと変わります。

まとめ

歯科医院で「忙しいのに利益が残らない」原因は、
売上ではなく“構造”です。

そして、

  • 限界利益
  • 必要利益売上高
  • 数字と現場の連動

を理解し、
右腕とともに改善することが利益率改善の本質です。

次回予告【歯科医院 経営戦略】
なぜ同じ売上でも“儲かる医院”と“儲からない医院”があるのか?

同じ売上規模でも、
「しっかり利益が残る医院」と「なぜかお金が残らない医院」に分かれるのはなぜでしょうか。

その違いは、
単なる診療内容や患者数ではなく、

・利益率の考え方
・時間の使い方(診療の質と配分)
・数字をもとにした意思決定
・現場と経営のつながり

といった、“経営の設計”の違いにあります。

さらに重要なのは、
その設計を“現場で実行できているかどうか”です。

次回は、
歯科医院の利益を大きく左右する

「儲かる医院」と「儲からない医院」の決定的な違い
利益が残る医院の共通する構造
明日から見直すべきポイント

について、具体的に解説します。

  • この記事を書いた人

Takuhisa Watanabe

大学院修了後、大手会計事務所にて経営支援部門の立ち上げに携わり、事業拡大支援や中長期の経営計画策定に従事。 2013年にクオリアグローバルマネジメント株式会社を設立し、医科・歯科を中心に多業種の経営コンサルティングを行う。 2015年以降は歯科医院の経営支援に特化し、これまでに500件以上の支援実績を持つ。 医療法人化・MS法人設立および設立後の活用支援を強みとし、節税にとどまらない中長期視点の経営設計・組織づくり・事業承継支援まで一貫してサポートしている。 現在は、大規模歯科医院・歯科グループの経営支援に加え、歯科特化の会計事務所・専門家への指導にも取り組み、歯科業界全体の経営力向上を目指した活動を行っている。

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