こんにちは!歯科経営戦略の歯科経営コンサルタントの安田です。
本日は、話題の「企業型DC(確定拠出年金)」についてお伝えします!
歯科医院に導入するとメリットの大きい企業型DC(確定拠出年金)ですが、
制度が分からない方も多いのではないでしょうか。
歯科医院や院長先生にとってのメリット・デメリット、
スタッフにとってのメリットデメリットを分けて説明していきます。
企業型DC(確定拠出年金)とは?
企業型DCとは、歯科医院が掛金を負担、または給与天引きで積立し、
スタッフが自ら年金資産の運用を行う制度です。
掛金の拠出方法は、大きく分けて3つの制度に分かれます。
- 会社がスタッフの掛金を拠出する
- 会社の拠出に加えてスタッフが追加で拠出する
- スタッフが給与天引きで拠出する
最近では、3番のスタッフが給与天引きで拠出するケースが増えています。
医院が用意した運用商品中からご自身で選び、年金資産を運用します。
商品の中には元本保証のあるものもありますので、運用に抵抗があるスタッフでも安心です。
60歳以降に、積み立ててきた年金資産を一時金(退職金)、
もしくは年金の形式で受け取ることができます。
企業型DC(確定拠出年金)の導入件数は?
確定拠出年金(企業型)の導入企業数は全国で38,000社を超え、加入者数も約750万人となっています。
10年前に比べて実施企業は約2.6倍、加入者数も約2倍に増えています。(厚生労働省HPより)
大企業でも多く導入されている制度です。
企業型DC(確定拠出年金)の対象となる医院は?
社会保険に加入している院長・スタッフが対象となります。
医療法人の場合は、全員が対象となります。
個人事業の場合は、社会保険完備の医院はスタッフのみ対象となります。
そのため個人事業の医院は導入メリットが少なくなります。
歯科医院・院長先生にとって企業型DC(確定拠出年金)を導入するメリット
メリット1「院長先生は掛け金上限55,000円/月を全て経費として積立ができる」
例えば、現在35歳で60歳まで掛けると、1,650万円を経費でご自身の年金として積立できます。
一時金であれば「退職所得控除」、年金であれば「公的年金等控除」が受けられ、税を軽減できます。
給与として同額を受け取るよりも税制優遇効果があります。
メリット2「運用益は全額非課税となります」
一般的な金融商品の運用益は約20%の税金がかかります。
企業型DCの場合は、全額非課税になります。
メリット3「所得税・住民税の負担が軽減」
掛け金が全額所得控除額となるため、所得税・住民税の負担が軽減されます。
メリット4「運用手数料も経費になる」
医院が企業型DCを導入すると、月々運用手数料がかかります。
しかしこの手数料の全額を経費計上することが可能です。
メリット5「スタッフの採用・定着にも有効」
最近では、衛生士さんが医院を選ぶとき社会保険完備しているかどうかで選ぶケースが増えています。
一般企業では、企業型DCに加入していることが企業を選ぶ一つの要素になっているように、
歯科医院においてもそのような時代がすぐにくると予測されます。
また既存スタッフにもメリットが多い制度ですので、
スタッフの定着にも繋がりやすいと考えられます。
メリット6「社会保険料を下げることができる」
スタッフが給与から拠出する場合は、
給与額が下がるため社会保険料も軽減される可能性があります。
歯科医院・院長先生にとって企業型DC(確定拠出年金)を導入するデメリット
メリットの多い企業型DCですが、歯科医院にとってのデメリットもございます。
デメリット1「運用手数料がかかる」
メリットでもお伝えしましたが、月額約1万円程度の運用手数料がかかります。
しかしイデコなど個人で運用する場合は、
個人で運用手数料を負担しなければなりませんが、
企業型DCであれば手数料を全て経費として計上できます。
デメリット2「スタッフに投資教育の義務がある」
資産形成についての教育を既存スタッフ、
また新しく入るスタッフに教育する義務がございます。
難しく感じますが、代行のサービスがございますので、ご安心ください。
このように歯科医院にとってメリットの多い企業型DCですが、
スタッフにおいてもメリットが多い制度です。
スタッフにとって企業型DC(確定拠出年金)を導入するメリット
メリット1「手数料の負担が0円」
イデコなど個人で運用する場合は、個人で運用手数料を負担しなければなりませんが、
企業型DCであれば医院が負担してくれます。
メリット2「運用益は全額非課税となります」
一般的な金融商品の運用益は約20%の税金がかかります。
企業型DCの場合は、全額非課税になります。
メリット3「所得税・住民税の負担が軽減」
掛け金が全額所得控除額となるため、所得税・住民税の負担が軽減されます。
スタッフにとって企業型DC(確定拠出年金)を導入するデメリット
デメリット1「60歳までは引き出せない」
年金制度であるため、60歳まで引き出すことができません。
逆を返せば確実に老後資金が貯められるとも考えられます。
デメリット2「医院が用意した商品の中からしか選べない」
イデコでは、好きな商品・金融機関で口座開設ができますが、
企業型DCの場合は、医院が用意した商品の中からしか選ぶことができません。
デメリット3「厚生年金が減る可能性がある」
給与に対して厚生年金の額が決められるため、
給与天引きをして掛け金に回した場合、厚生年金の額が減る可能性があります。
今回は、話題の「企業型DC(確定拠出年金)」についてお伝えしましたが、
いかがでしたでしょうか。
主にメリット・デメリットについての説明でしたので、
例えば「加入したスタッフが辞めたらどうなるの?」など、ご不明点もあると思います。
クオリアグローバルマネジメントでは、
歯科医院様の企業型DCの導入サポートも行なっておりますので、
お問い合わせください。