歯科経営コンサルタントの安田です。
先日、歯科材料屋さんのご紹介で、岐阜県大垣市で開院予定の先生と面談の機会を頂きました。
これまで多くの開院支援をしてきましたが、、
先生は、自分の事業の事だからと、ご自身で事業計画を立てて、銀行交渉をされた。とおっしゃっておりました。
開業前から経営の観点をお持ちの先生はなかなかいらっしゃらないので、その言葉がとても印象に残りました。
多くの先生が事業計画など、専門外のことはメーカーさんなどに依頼しがちで、内容は十分に把握していなかったり、融資が通ってしまったら、紙切れになってしまうケースが多くあります。
実は事業計画は、銀行交渉のためのものだけではありません。
私たちは開業前はもちろんですが、開業後も毎年事業計画(中期経営計画)を必ず策定しております。
歯科経営に事業計画が必要な3つの理由
1つ目の理由は、「クリニックの方針・方向性を定めるため」
例えば、、
家族や友人で何か楽しいことをしようと思い立って目的地を決めずに家を出ました。
そうしたら偶然にもディズニーランドに着いて、みんな大喜び。
・・・何てことはありえませんよね。
ディズニーランドに行くと決めて、家を出ない限りディズニーランドに到着することはありえません!
経営も同じです。クリニックの方向性を定めなければ、そこへ到達することはできません。
また、ディズニーランドへ行こうと思っているのに、一緒に行く人の中にUSJに行きたい人がいたらどうでしょうか?
テンションが下がるかもしれませんし、ディズニーランドへ行くことを妨害するかもしれません。
これもまた経営と同じで、クリニックが目指す方向と違う考えのスタッフがいたら、成長の妨げになることもあるかもしれません。
初めから同じ方向を向いていなくても、院長先生が明確に方向性を示すことで、スタッフが共感し、一緒にクリニックの目的地へ目指してくれる効果も期待できます。
2つ目の理由は「理想のクリニックに早く近づけるため」
開業医の先生は、診療もスタッフのマネジメントも集患のマーケティングなどやるべきことが多くあります。
日々の業務など目の前のやるべき事に追われてしまうことがほとんどだと思います。
しかし、事業計画を立てて未来を明確に描いた先生は、未来からの逆算で今やるべき事が分かり実行できます。
そのため、先生の理想のクリニックへ最短で近づくことができます。
計画を立てなくてもクリニックは成長することもあると思います。しかしそれは理想のクリニックに向かって成長しているかどうかは分かりません。
経営計画のない経営は、海図を持たないで航海するのと同じである。
という言葉があります。
言葉の通り、クリニックが迷わないためにも事業計画は大切です。
3つ目の理由は、「方向性のズレを知り修正行動が取れる」
方向性を定めていれば、現在の進み方にズレがあるかどうかを検証することができます。
計画と現状を比較し、何が出来ていて、何ができていないのかが明確に分かり、計画へ近づくための修正行動を考えることができます。
明確な計画がない場合は、ディズニーランドに行きたいな〜と何となく思っていたのに、USJに着いてしまうという事が起きる可能性が高まります。
また事業計画を立てておけば、今の判断に迷いがなくなります。
今投資するべきなのか?今人を入れるべきなのか?
どんな未来を描いているか分かっていれば、未来への投資にも積極的になれ、それがクリニックの成長を加速させることができます。
その他にも、事業計画を立てるメリットは多くあります。
ただ事業計画と聞くと難しそう。。。など抵抗がある先生もいらっしゃると思います。
弊社の事業計画で大切にしていること
1、 明確で具体的な計画を立てること
数値計画では、売上や利益だけでなく、資金繰り予測まで立てていきます。またその数値を達成するための戦略・戦術となる行動計画を立てることで、実行可能な中期計画を立案することが可能です。
2、 わくわくできる計画を立てること
ワクワクしない計画では、絶対に実行しようとはしません。これを成し遂げたい!と心底思える計画が立てることを大切にしています
歯科医院のお客様は1年に1回1日かけて事業計画を立てますが、皆さま帰り際には晴れ晴れした表情になり、来期に向けての気合がはいるとおっしゃって頂けています。
私も事業計画(中期計画)は、先生と未来が共有できる日になるため毎回楽しみにしております。
本日お会いした先生は、来年3月に開院予定です。
短期間での開院支援にはなりますが、開業成功へ向けて全力で支援していきます!