BAMapTMとは、Brain Action Mapの略で、BAMap(ビーエーマップ)と呼ぶことにしているのですが、人の思考と行動の関係を可視化できるフォーマットで、私がNY駐在中に考案したデザイン教育法のツールです。
具体的には、縦軸の上がV(Visible:見える)下がIV(Invisible:見えない)、横軸の左がC(Conscious:意識)右がUC(Unconscious:無意識)で区切られた4つのエリアを設定し、エリア相互に行き来する矢印により思考と行動の関係性を表します。(図1)
4つのエリアに書かれている言葉(エリアワード)等はデフォルトで決めずに、意識の有無と見える見えないの条件だけは守る言葉を選ぶことがルールです。つまり、検証するテーマやジャンルによって相応しい言葉をエリアワードとして扱います。
図1は一般的なエリアワードですが、私が美大で学生を教えている時は、図2のようなエリアワードでデザイン教育法を研究していました。
例えば、何かのアイデアを考えて、そのスケッチを描くのは青い矢印です。スケッチも簡単ではなく技術が必要ですが、何度も練習を重ねると緑の矢印のように無意識で描けるようになります。
スポーツの練習を何度も繰り返して、考えなくても身体が覚えていて反応するようになるのもこの緑の矢印です。
高等な技術も無意識でこなせる域になれば感覚的に身体が反応してくれます。「Don't think, Feel!!」とはブルースリーの名言でしたね。
私が注目したエリアが右下の無意識で見えない世界です。
図2では《感性》というエリアワードですが、ここは記憶や経験、性格や人格、何でも当てはまります。要は普段は意識していない価値感や趣味趣向、能力や技術、頭の中の全てがここにあると捉えてください。
この感性エリアから赤い矢印で反応する1つの例が癖です。口癖や仕草、貧乏揺すり・・・自分は気づかなくても周囲の人は気づいています。行動心理学で言われている様々な仕草はこのエリアです。
またこの赤い矢印は、プロと素人とでは決定的なクオリティの違いがあります。無意識にチャチャチャと高度なレベルで反応できるのは、元である感性が鍛えられ研ぎ澄まされているからこその話です。
感性とは、デザイナーにとって生命線です。
だからこそ、ここを鍛える方法を大学での研究テーマのひとつとしました。鍛えれば、オレンジの矢印の反対方向(アイデア ← 感性)も高性能で、優れたアイデアが沢山湧いてくるはずです。
少しは興味が湧きましたか?
長くなりました。この続きはまたいつかお楽しみに。
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クオリアグローバルマネジメント株式会社
ブランディングアドバイザー/二級知的財産管理技能士
下尾邦之