― そのMS法人、本当に機能する設計になっていますか? ―

MS法人を設立した、あるいは設立を検討している歯科医院の院長先生から、
次のようなご相談をいただくことが少なくありません。
- MS法人を作ったが、正直うまく活用できていない
- 節税にはなっているが、それ以外のメリットを感じない
- 会計事務所に任せて作ったが、この設計で良いのか不安
MS法人は、
「作ること」自体が目的ではなく、「どう設計されているか」がすべてです。
同じMS法人でも、
正しく設計されている医院と、そうでない医院では、
5年後・10年後に大きな差が生まれます。
本記事では、歯科医院向けに
MS法人が正しく設計されているかを確認するチェックリストを解説します。
なぜMS法人は「スキーム設計」が重要なのか
MS法人は、単なる節税のための法人ではありません。
本来は、
- 医院の経営を安定させる
- 資産を守る
- 将来の承継をスムーズにする
といった、
歯科医院の将来を支える経営スキームです。
しかし、設計が不十分な場合、
MS法人は「存在しているだけの法人」になってしまいます。
まずは、以下のチェックリストで確認してみてください。
歯科医院のMS法人スキーム設計チェックリスト
チェック① MS法人の役割を明確に説明できますか?
以下の質問に答えられるでしょうか?
- MS法人は何を行う法人ですか?
- 医療法人(または個人)との役割分担は?
- なぜMS法人が必要なのですか?
「節税のため」という答えだけの場合、
スキームとしては不十分です。
機能しているMS法人には、
明確な役割と存在理由があります。
チェック② お金の流れが設計されていますか?
重要なのは、
どこに利益と資産が残るかです。
確認すべきポイント:
- どの収益がMS法人に入るのか
- どの費用をMS法人が負担するのか
- 将来、どの資産をMS法人に残すのか
これが整理されていない場合、
MS法人は経営上の意味を持ちません。
チェック③ 医院経営とMS法人が連動していますか?
MS法人は、
医院経営と切り離して存在するものではありません。
例えば:
- 不動産の所有
- スタッフ雇用の一部
- 設備の所有やリース
など、
医院経営と密接に関わる設計が必要です。
単に法人が存在するだけでは、
機能しているとは言えません。
チェック④ 将来(5年後・10年後)の使い道が決まっていますか?
MS法人は、
将来のための法人でもあります。
以下のような視点が重要です:
- 事業承継でどう使うか
- 老後資金としてどう機能するか
- 不動産や資産をどこに残すか
将来設計がないMS法人は、
本来の価値を発揮できません。
チェック⑤ 会計処理だけでなく「経営設計」まで検討されていますか?
MS法人は、税務処理だけで完結するものではありません。
会計事務所は税務の専門家ですが、
MS法人は、
- 経営戦略
- 資産設計
- 承継設計
と密接に関わります。
そのため、
歯科医院の経営全体を見据えたスキーム設計が不可欠です。
チェック⑥ MS法人設立後に見直しを行っていますか?
MS法人は、
- 売上の増加
- 医療法人化
- 分院展開
など、医院の成長に合わせて
見直しが必要になります。
設立したまま見直していない場合、
最適な設計ではなくなっている可能性があります。
チェック結果|1つでも当てはまらない場合
以下に該当する場合、
- 役割が曖昧
- 将来設計がない
- 会計処理だけで運用している
MS法人が本来の機能を発揮していない可能性があります。
しかし、多くの場合、
MS法人は作り直す必要はありません。
スキームを見直し、
役割と設計を整理することで、
本来の価値を発揮できるようになります。
MS法人は「作ること」より「設計」が重要
歯科医院のMS法人は、
- 節税のためだけの法人ではなく
- 歯科医院の将来を支える経営スキームです。
同じMS法人でも、
設計次第で結果は大きく変わります。
MS法人を検討している方も、
すでに設立している方も、
「スキームとして機能しているか」という視点で見直すことが重要です。
歯科医院のMS法人について詳しく知りたい方へ
歯科医院のMS法人について、
医療法人との違い、失敗事例、正しい設計の考え方までまとめた
「歯科医院のためのMS法人完全ガイド」もあわせてご覧ください。
MS法人を検討している方、
すでに設立して見直しを考えている方にとって、
判断材料となる内容を整理しています。