“アイデア”や“ひらめき”の源は「気づき」であることはご存じだと思います。
突然に天から降ってきたような“名案”も、実は普段から無意識に積み立てていた「気づき」が大きく手を広げて天から引き寄せたものだと思います。
以前にご紹介したBAMapⓇ内での思考のスタートである《気づき》について今回はお話ししたいと思います。
長年デザインに携わってきましたが、発想力に欠かせない「気づき」には二通りあるということに「気づいた」のは、京都の美術大学に准教授として赴任した頃でした。
2つの《気づき》とは何だと思いますか?
1つは《BEの気づき》です。BEとは存在や状態を表す言葉。実際に存在するモノやコト、自分を取り巻く環境下に実存するモノやコトを自分の五官で感受する時に「はっ!」となる「気づき」です。日常的な行為である、何かを観て、聞いて、嗅いで、触って、味わって、気づくのが《BEの気づき》です。
もう一つの気づきは《IFの気づき》です。
IFとは、「もし〜ならば」という仮定の言葉。
実存しないモノやコトに対してイメージや想像力によって「はっ!」とする「気づき」です。
「もし母親が居なかったら?」と考えた途端に、あれもこれも自分でしなければ、そもそも自分はこの世にいない、などなど、母親の存在や有り難みに沢山気づく現象は、正に《IFの気づき》です。
《BEの気づき》を積み上げるには、沢山の経験をしなければいけません。成功したり楽しかったプラスの経験だけでなく、失敗や凹んだマイナスの体験も沢山の気づきを生みます。
多くの経験を積んだ人や人生の諸先輩方には《BEの気づき》が多く宿っています。
未来のリスクを先に読んだり想像力で勝負する職業にとっては《IFの気づき》が大切ですが、これは仕事に関係なく人としても大切な感覚で、人の立場や気持ちになれる人は、まさにこのIFの気づきができる人だと思います。
今まで気にもしていなかったモノやコトに対して「もし明日から無くなったら?」と考えた途端に「はっ!」とヒントに気づく場合も少なくありません。
ドクターやスタッフの皆さん全員が、同僚や患者さんと接する時に《BE》だけではなく《IF》の気づきも意識するだけで、これまで気づかなかった沢山のことが天から降ってくるかも知れませんね。
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Qualia Global Management 株式会社
ブランディングアドバイザー 下尾邦之